「あ、碧衣。ちょっと待って。」
後ろから、颯のゆっくりとした声が聞こえる。
私は歩みを止めて、颯が追いつくまで待った。
そしたら、颯が私の前に回り込んできて、正面から向かい合うかたちになる。
恥ずかしいのと気まずいのとでうつむいた私の前に立った颯は、ポケットから小さな何かを取り出した。
するり、と颯の手が首もとに滑り込んできた。
ぎゅっ、と反射的に目を瞑る私。
「よかった。」
私の首から手を遠ざけた颯は、安心したように笑った。
「…え?」
私がきょとんと颯を見ると、颯は自分の鎖骨のあたりをトントン、と軽く撫でた。
つられて、私は自分の首を見る。
その次の瞬間、私は泣きそうになった。
私の首には、小さなオープンハートのチャームがついているペンダントがあった。

