「そうですね、篠田さん凶器なんですけど、やはり全国で市販されているムチじゃあ、特定するのは難しいですかね」


「そうだな、最近じゃコンビニなんかでも売っているらしいしな。仮面も同じく全国で市販されているからな。一軒一軒『フェイクハント』のグッズが販売されている店を探してる間に、五件目の殺人事件が起きちまうよ」


 そう云って篠田は深く溜息を吐いた。


「でも一件目の事件に使われたナイフは確か本物でしたよね? 市販されているおもちゃの『フェイクハント』のナイフは、プラスチックのはずだから」


「プラスチックのナイフじゃ、余程力のある奴じゃないと、人を殺せないだろうからな。事件に使われたナイフの特定は、急いでるはずだ。弓矢もナイフと同じで市販されている『フェイクハント』の物は子供だましだから、本物を使ったんだろう」


「本物のナイフや弓矢の販売店から、買った人物を絞りだせることを願いますよ」


 海人は天を仰ぎながら、そう吐息混じりに云った。