「中山礼雄」

「……はい」

「新田純助」

「はい」

「野村一真」

「…………」

朝の出席の点呼。

僕の次の返事はありません。

「……野村はまた休み。っと。浜田楓」

「はーい」

僕は野村くんには一度しか会ったことがありません。

ううん、クラスのほとんどの人がそうでしょう。

野村くんは入学してから一度しか登校していないのです。