「ところで、神様、さっきの良いよって言うのは?」

神様はゆっくりとBクラスを眺めます。

『転校したいんでしょ?良いよ。そっちの方が仕事がはかどるんなら。』

「え、でも……」

『ん?何か心配でもあるの?』

心配……

よく分からないけど不安は確かにありました。

だって一度死んでしまった僕がまた学校に行くなんて、そんな。

そんな身勝手なことがあって良いのでしょうか。

『もしかして、難しいこと考えちゃったりしちゃってる?』

神様は僕の頭に手をおくと、柔らかくなでなでしてくれました。

その手はとても暖かくて、不安がふわっと何処かへ消えてしまった様な気持ちになりました。

『君はもう少し自分の為に何かなさい。他人の為なんてのは、その後でもいくらでもできるんだから。』

「……はい。ありがとう神様。」

僕は心から、にこっと笑いました。

神様も微笑んでくれました。

『それじゃあ今日から君はこの1―Bの生徒になるからね。ちちんぷいぷいのぷーい。』

神様の指が光り輝き、僕を照らしました。

その光がどんどん大きくなって学校を、街を包み込みました。