屋上から全速力で駆け下りてきた陽。

陽は人目もはばからずにあたしのことを抱きしめる。


「よっ…陽!?
ちょ…ここグラウンドなんだけど…。」

「ナイスキャッチ。」


あたしの耳元でそう呟いた。


「あ、ありがと…
って聞いてる?」

「聞いてる。
でも、今、こうせずにいられない。」


さっきよりもずっと、力強く抱きしめてくる。

嫌なんかじゃないけど…

でも周りの目が気になる。



案の定…
かなり見られてるあたしと陽。

あたしはなんだかいたたまれなくなってきた…。


「陽っ!!ちょ…も帰ろうっ!!ね?」


あたしは無理矢理陽の腕の中から出て、陽の手を握って門を出ようとした。

その瞬間…


あたしの手がグイッと引っ張られる。