前をしっかり見てなかったあたしは、突然立ち止った陽の背中にぶつかった。


「いきなり立ち止ってごめん…
顔ぶつけなかった?大丈夫?」

「だ…大丈夫。」

「歩くの…ちょっと早かったね。」

「え?」

「後ろ歩かれると、ちょっと寂しいから、隣歩いてよ。」

「う…うん…っ。」


あたしは陽の隣を歩く。


不思議…

ほんの1ヶ月前までは当たり前のように陽の隣にいたのに…

さっきまで躊躇ってた。

その隣に行くことを。



やっぱり…

陽の隣にずっといたい。

一番…安心できるから。



久しぶりに隣に感じる、陽の存在。

言わなくちゃいけないことがあって、

少し気持ちが変だったはずなのに…

それがスッとなくなっていく。