「今日、神谷に綺袮の事聞かれたぜ?」
「え、嘘。」
「マジ〜。
なんか、色々、さ?」
「え、色々って何…。」
放課後、私は机に顔を伏せた。
もう、三日目。
流石に康平も疑問を持つだろう。
この情報を私にくれるこいつは、高島 智樹(タカシマ トモキ)。
同じクラスの、仲の良い男子。
爽やか系のイケメン。
今の時間、康平が帰ってるだろうから、それまで一緒に待ってくれている。
私の良い相談相手だから、全部知ってる。
「智樹ぃ、私達、終わっちゃうよ…。」
瞳に涙が溜まる。
気にしない様にして智樹を見上げると智樹はギョッとした。
そりゃそうか。
今まで私が泣く事なんてなかったもんね。
もう、終わりにしなきゃ駄目だよね?
こんな曖昧な関係、私、嫌だよ。
「あは、涙腺崩壊…」
瞬きをしたらポロッと涙が溢れた。
やば、と思って手で顔を隠そうと思ったらその手を捕まれた。
「…泣きたきゃ、泣けば良い。」
その言葉で私はボロボロ涙を流した。
智樹は私の机に肘を置いて、私の涙を一粒一粒、指で優しく掬ってくれた。
外で、康平の驚くような声が聞こえた。
ねぇ私の彼氏、疑問は解けたの?