「今日は自主練だ!
昨日の試合を生かし、向上に努めろ!」

「おーう!」


唯登がいつも通り練習を始める。
…そう、いつも通り。
軽く落ち込んでいるとボールを取りに来た同じ三年生に声をかけられた。


「マネージャー、どーかしたのかぁ?
元気ないじゃん」

「…わかる?」

「うん。
天音もだよな、喧嘩かぁ?」

「え、唯登は普通だよ」


いきなりの言葉に驚いて見上げるとハハッと笑った。


「バカだなぁ、それで落ち込んでただろー。
そんな悲しそうな顔しない、ほら、そうだな…
あ、目にゴミがー!
痛い、優希、見てくれる?」

「え、え?」


いきなり痛がりだしたのと、優希って呼ばれた事と、顔が異様に近い事に驚いているとガシャン、と音が聞こえた。


『直ぐに練習に戻れ!』

「天音の鬼畜ー。
ちょっと近付いただけでこれだし。
同い年なんだから名前で呼ぶくらい…
わ、ゴメンって、蹴らないでくださーい」


唯登が怒っていた。
同じO型同士でも親分気質と子分気質でここまで違うんだ…
ボーッと見ていると、ふと目があった。


『ゆっマネージャーもサボるな!
早くドリンク作って来い!』

「…はいはーい」


耳まで真っ赤。
私にも、負けず嫌い発揮してたみたいです。





 彼氏の態度…かっわいなぁ!