涙が止まらない私に悠斗くんは苦笑しながら私の目元をグイッと拭ってくれた。


『泣くなって。
また瞼腫れるぞ?』

「!きっ、気付いてたの!?」

驚いて顔を上げると悠斗くんはニッと笑った。


『俺が気付かないと?
ま、俺の事でってわかったから言わなかったけど。
だってさ、泣くような事とはいえ夜俺の事考えてくれてたんだろ?
嬉しいって。』

悠斗くんは目線を宙に浮かべながらベッと舌を出して笑った。


『…でもあの男は嫌い。』

無邪気な笑顔から一変、ムスッと拗ねたような顔になってしまった。


「ふ、吹雪くんは私に協力してくれたんだよ!
私の親友と…」

『カップル揃って気に入らないなぁ…。』

はぁ、と肩を落とした悠斗くん。
そうだ、愛華も悠斗くんに言ってくれたんだね。
私、友達にも恵まれて…。