頭を解放されて二人を見ると、まさに一発触発。
に、睨み合ってます…!
先に口を開いたのは吹雪くんだった。
「お前さぁ、由空が好きなら大事にしてやれよ。
由空が優しくてお前が甘える気持ちもわかる。
でも、由空だって人で、女だ。
自分の意志があって、お前の言動で傷付いてんだよ。」
『っ…わかってるよ!』
「悠斗くん!
吹雪くん、今日は有難う!
さっきのも嬉しかった!
また明日ね!」
荒っぽく去ってしまった悠斗くんを追うため、吹雪くんに手を振って道を戻る。。
後ろから「頑張れよ!」と声が聞こえて追い掛けるスピードを上げた。
パシッ
「悠斗くん!」
捕まえた…!
『何…。
アイツのとこ戻れば?』
取った手を振り払われ、冷たく見下される。
ちゃんと、言わなきゃ…。
「私は、悠斗くんが好きなの!
本当は優しくて、いい人なの知ってるから!
だから、好きで…」
『あいつは?』
目を合わさずに聞いてくる悠斗くん。
ズキン、と胸が痛む。
「あ…、あの人は吹雪くん。
親友の彼氏で、お互いに恋愛感情はないの!」
『へぇ?
じゃあ、なんであんなくっついてたわけ?』
「あれは、その、悠斗くんに好かれるような、積極的な女の子になりたくて…親友から借りて練習を…。」
『…は?』
「へ?」
恥ずかしさから下を向いていたら上から聞こえたのは不の抜けた声。
思わず見上げると悠斗くんの顔は真っ赤だった。
私の想い…伝わった…?