「吹雪くん、よろしくお願いします!」
「…は?」
「吹雪、頼んだわよ!」
「…はぁっ!?」
今は昼休み、屋上。
私は吹雪くんに頭を下げている。
吹雪くんは意味がわからない様子。
「あんたは練習台!
由空が朝、私に頼み込んできたのよ。
吹雪くんを貸して、って。」
「お、俺を?」
「うん!
二人がバカップルだからこその頼み!
それと、吹雪くんが悠斗くんの事わかってそうだから…。」
「あぁ、あいつ絡み…。」
げんなりとした感じでため息を吐く吹雪くんに愛華が喝を入れる。
「由空の数少ない頼みなのよ!?
あいつ絡みなのはアタシも気に食わないけど…わかってるわよね!?」
「…確かに美波の頼みなんて聞くの初めてかも?」
「お願いします、吹雪くん!」
手を合わせて必死に頼み込む。
吹雪くんは私を見てポッと頬を染めた。
「…し、しゃあねぇ、一肌脱ぎますか!」
「やったぁ!
二人とも有難う!」
「吹雪、何頬染めてんのよぉ!
…よしっ、由空頑張りなさい!
男心を擽る大胆小悪魔に!」
「はいっ!」
「…うん、よくわかんないや。」
私の決意、固まりましたっ!