『よ。』

「え…!?」

次の日、重い体を起こして家を出たら…悠斗くんがいました。


「ど、どうして!?
今日はメールも…」

慌てて携帯を確認したけど悠斗くんからメールは着ていない。
困惑の表情で悠斗くんを見たら悠斗くんはニカッと笑った。

『気が向いたから。』

「…はい。」

その愛らしい笑顔を見るとふんわりと微笑んでしまう。
悠斗くんは急にクルッと向きを変えて歩きだした。


「えっ!?
まっ、待って下さい悠斗くん!」

慌てて追い掛けて隣に並ぶ。
悠斗くんは私を見てまた笑った。
そして、止まった。

「?
ど、どうしたの?」

『…目の下、隈が出来てる。
寝不足?』

「あ、えと、うん。
ちょっとメールに夢中になっちゃって。」

あはは、と笑うと悠斗くんはふぅん、とまた歩きだした。

…実は、また夜通し泣いていた。
瞼の腫れに気付かれなかったのがせめてもの救い…。


「あっ、悠斗おはよぉー!」

『おー、はよ。』

校門に入ったところで昨日の女の子が小走りで悠斗くんの隣に来て、腕を絡ませた。

悠斗くんの隣、彼女の特等席。

悠斗くんはそのまま女の子と先に行ってしまった。





 彼氏の行動、予測不可能…。