「康平、好き…。」

『あぁ、俺も好き。』

何度も何度もキスをして、目を合わせて微笑み合う。
…が、気になる事が。



「康平…何してるの?」

『消毒。』

康平が私の顔を両手で包みながら頬や目元を親指で何度も何度も拭うように触る。
少し、ヒリヒリしてきた。


「あの…い、痛いよ。」

グイッと拭われて痛さに顔が歪む。
康平はベッと舌を出して不機嫌そうに言った。


『見てたぞ。
この教室で綺袮が泣いて、高島が涙拭ってたの。』

そういえば、外から康平の驚くような声がした気が…


「み、見てたんだぁ…。」

あはは、と乾いた笑みしか浮かばず、頬が引きつる。


『あいつのお前を見る目が、お前を好きだって言ってて一々ムカついた。
話し聞いても、〈綺袮が言わない事を俺が言うつもりはないよ。〉とか言ってムカついた。
今は、俺の方が綺袮に近いって言われてる気がして…。』

胸を押さえて苦痛に顔を歪ませる康平。
智樹、私の事を一番に考えてくれてたんだ…。


「智樹にお礼言わなきゃ。
康平も、ちゃんと謝って…んっ」

私の言葉を聞きたくない、と言わんばかりに唇で唇を塞がれる。
甘く、とろけるようなキスで…。



『男を下の名前で呼ぶの禁止。』

「…ぷっ!
出来る限り、努力します…。」

私がそういえば康平は満足そうに笑い、また優しくキスをしてきた。





   これが、二人の恋愛。




清潔性で、責任感が強くて、自分にも他人にも厳しくて、少し堅苦しくて…

でも、恋をしたら意外と情熱的な私のA型彼氏。



私は、こんな康平が…
こんなA型彼氏が大好きですっ!



      A型彼氏
     ゚+。Fin☆+゚