恐る恐る店に入り、友人達の姿を探す。

 左奥の座敷に、友人達の姿を見つけ、近寄って行くと、真ん中に座っているのは彼だった。

 どうしてここにいるの……。
 私は冷水を浴びせられたように、一気に寒気がした。
 その時、ふと彼が私に気付き、立ち上がった。


「こっちだよ。遅かったね。待ってたよ」


「ど、どうしてここにいるの?」


 私は声を震わせ訊くと、友人がにやけた顔で答えた。


「照れなくていいって~。彼氏のサプライズ、いいなぁ私も愛されたい」


 その時、もう私は限界を感じ、すぐさま携帯を開き電話をかけた。


「ちょっと、どこにかけてるのよ」


 友人達のそんな声には耳もかさず、電話の相手が出るのを待った。