「ふぅ……。ずいぶん多いわね」
机の上の大量の書物に、思わずため息を吐き出した。
書物は全部で悠に100冊をこえる数があり、使い魔に書物を取り出してもらってさえ……この数。
時間かかるよね……たぶん。
早く調べ始めないと"仕事"に間に合わなくなる。
あたしは一番手近にあったものから調べることにして、書物を手に取った。
あたしはパラパラと書物を1ページずつ、隅々まで見ながらページをめくった。
――――
――――――…………
「これも違う……かな」
もう何冊目になるか分からない書物を、あたしはパタンと閉じた。
閉じた書物を椅子の隣に積み重ねる。
「書物をお片付けしてもよろしいですか?」
突然、どこからともなく使い魔の声が聞こえた。
あまり使い魔から話し掛けられることはないのだけど……。
「……お願い」
今はお願いするのが賢明。
このままじゃ、書物に埋もれてしまうかもしれないし。
あたしは見終えた書物が空中に浮くのを横目で見ながら、次の書物を開いた。

