――――キィィン……バァン、バァン
お互いが同時に間合いを詰め、白夜の太刀を白銀が銃で押さえる。
ギチギチと金属同士が擦れ合う音が響いたかと思えば、すぐに白銀の銃が銃声を上げて的確に心臓を狙う。
それすらも太刀で止める白夜は、不敵に嘲笑う。
「大きな口を叩いておきながら、貴様も大したこと無いな」
「チッ、無駄口たたいてんじゃ……ねぇよ!!」
白銀はホルスターからもう一丁の銃を抜き取ると、左右の銃を白夜に標準をあわせて不規則に撃つ。
そんな2人の様子を木陰に横たえられた少女の隣で見つめながらどうにも出来そうもない事に困っていると、こちらに近づく気配がひとつ。
「またやってんの、白夜と白銀は……」
呆れたような声が、あたしが寄り掛かっている木の上から聞こえてくる。
声の主が誰なのかなんて顔を見なくても分かり、さっきの出来事を思い出して少しだけ動揺しながらもあたしは気丈に振る舞った。
「白銀はあなたの兄でしょう……翡翠。アレ、止めなくていいの??あのままじゃ、いずれどちらかが死んでしまうわ」
「今更、止めないよ。止めに入ったら僕が死んじゃうでしょ……アレは。てか、今は白銀達に構ってる暇は無いんだよね」
生死を決めるようなギリギリの攻防を続ける2人を心配しながら見ていれば、翡翠はそう呟いた。
「何か……あったの??」
その言葉で先刻の願いを思い出し、不安が駆り立てられる。
問うように木の上にしゃがみこんでいる翡翠を見上げると、真面目な顔で小さく呟く。
「見つけたよ……アイツに所有印をつけられた子」

