「なんかさ姫、顔赤くねぇ??大丈夫か??」
「ッ……大丈夫、なんでもない……」
自分の顔の熱を冷まそうとしている最中に、顔が赤いことを指摘されて白銀から咄嗟に顔をそらす。
「ッ……!!」
運悪く視線の先に白夜がいて、一瞬視線を彷徨わせた末俯いた。
「なッ……?!!白夜テメェ、姫になんかしたんじゃねぇだろうな。今からでも間に合うだろうし、白夜……1回死んどく??」
再び白銀がホルスターに収めてある銃に手を伸ばすのを、俯いた視界の先で捉える。
実際は白夜に何かをされたわけじゃなくて、自分のしたことに対する羞恥でこんな行動をとってしまっているのだ……。
「あ、の……これは、んぅ」
こんなところで銃を乱射されたら大変だと弁解をしようとすれば、白夜に口を掌で塞がれる。
「ほぅ……貴様に俺を殺せるのか??その程度の力で……」
「ンだと……??随分と安い挑発してくれるじゃねぇか。いいぜ、その挑発のってやるよ」
白夜のまるで見下しているかのような言葉に白銀は微かに眉根を寄せた後、不敵に笑うと低く呟いた。
素早くホルスターから銃を抜き取る白銀と、そっとあたしの口から手を離してから肩に担いだままだった少女を木陰に下ろす白夜。
なんだか止めるに止められない雰囲気のまま、白夜は鞘から太刀を抜き姿を九尾のものへと変化させる。
「手を抜くのは愚弄に値するだろうからな、本気でいくぞ」
「当たり前だ。手を抜かれて、俺が圧勝しちゃあ面白くねぇからな」
なんでこの2人はこんなにも仲が悪いんだろう……??

