突然の銃声に対する驚きで、白夜と白銀の瞳が銃口から銃を辿ってそれをもつ者に向けられる。
空に向けられた銃を握るのは……
「あたしの話を聞いてくれるかしら??とりあえず、白銀は銃をしまって。白夜は離してくれる??」
「わりぃ……」
「あぁ、悪かった……」
据わった蒼い瞳でそう呟く気迫に圧されて、2人はぎこちなく頷くと白銀は瞬時に銃を腰にあるホルスターに収め、白夜は仕方なしに蒼のことを離した。
「白銀は何か用があって、ここに来たんじゃないの??」
バツが悪そうに視線を彷徨わせる白夜と白銀に若干呆れつつも、突然現れた理由があるのではないのかと尋ねる。
「あー……さっきな、翡翠が俺のところに来てさ……」
そういえばさっき翡翠に伝言を頼んだときに、白銀にも伝えに行くと言っていた気がする。
「すっげぇ姫のことが心配になるようなこと言ったうえに、伝言だけ言っていくから……心配になって、会いに来たんだけど……」
「そう、だったの……」
やっぱり、翡翠にも心配かけてたんだ……その上白銀にまで心配をかけて……。
余程安心したのか、ホッと溜め息を吐き出す白銀を見ていればその言葉が嘘ではないと容易に理解出来て、申し訳なくなる。
「あの……」
「実際来てみたら、イチャついてるしよ。ったく、姫がキレてなかったら本気で白夜を撃ってたところだ」
ごめんと謝罪の言葉を続けようとしていたところを、激昂した白銀のさっきに引き続き物騒な言葉が遮った。
「えっと……なんか、ごめんね。でも、なんで白夜だけ??心配かけたのはあたしなのに……」
「姫が謝ることねぇよ。なんでって、ンなの、決まってんじゃん。白夜はムカつくし、姫を抱き締めてたから」
さも当然とでも言うように、爽やかな笑顔に少しだけ黒さを感じるのは……気のせいじゃないと思う。
白銀の言葉にさっきの様子を思い出して、羞恥に顔が熱くなっていくのが分かる。
自分から白夜の首に腕を回すなんて……なんて恥ずかしいことを――――……

