――――【仲間になろう】なんて言われたのは初めてで、その言葉にただただ茫然としてしまった
視界から彼方の顔が消えて、視界の端にかろうじてハニーブラウンの髪が映っているだけ。
彼方があたしの首筋に顔を近付けているのだと気付くのに、時間がかかって……。
同時に、彼方が何をしようとしているのかを理解するのにも、かなりの時間を要してしまって……。
「ッ……」
気付いたときには既に、彼方の口唇があたしの首筋に軽く触れたときだった。
「いい子にしてなって」
彼方から逃れるように身体を捩れば、楽しげな呟きが耳に届く。
彼方がクスリと笑ったのが首筋にかかる吐息で分かり、あたしは彼方から逃げるように更に身体を捩った。
――――ヒュ、ン……パシッ
突然何かが風を切る音が聞こえてそちらを見れば、彼方が人差し指と中指だけで短剣を挟んでいる。
「それにしても、覗き見してたうえに邪魔するなんて野暮だよね」
その様子を見ただけで大体のことは予想できる。
木々の間に気配を消して身を潜めていたカレが攻撃を仕掛けてきて、彼方がそれを防いだ。
「……裏切り者のくせにさ。黙って見てるだけなら見逃してあげたけど……仕方ないかな」
それに加え彼方は、消しているはずの気配に最初から気付いていたのだ――――……

