†Bloody Cross†







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――――――…………


「ふふっ……」


ふと遠い昔のことを思い出せば、思わず口から笑みが零れる。


「泣いたり笑ったり、忙しい奴だ」


呆れたように微笑む姿は、遠い記憶となんら変わり無いように感じて懐かしい。

あたしの頬に添えられた掌も、微笑んだ表情も、あたしに対する接し方も……何一つ変わらない。


「変わっていないのは、白夜のほうよ……優しいところとかね」


白夜がしたように、あたしも白夜の頬にそっと掌を添える。

出会ったあの日に比べ、白夜の頬に掌を添えるのは容易く、ふと思えば白夜の顔も近くに見える。

あたしはあの頃に比べて変わったと、自分で思う。

白夜がなんと言おうと、その事実は揺るがない。






変わってしまうのと、変わらず在り続けるのでは……どちらのほうがいいんだろう……??






胸に黒いわだかまりを造るこの疑問の答えは様々で、ひとつの正解なんて……無い。

あたしはふわふわと風に流されるように、移りゆく周りの世に感化されて生きてきた。

確固たる意志の無い自分が、一体どんな答えを求めているかなんてあたしには知る由も無い。

ただひとつ、あたしを縛り付けるのは……






――――罪という名の償うべき"贖罪"