全員の視線がそこに集まる。



「あー、遅れました? サーセン」


「サーセンっした」



いつもの二人だ。
ズボンを下げ、ワイシャツを出し、

髪を染め、

ピアスまでは付けていないものの、

いわゆる不良っぽい二人。



悪びれた様子もなく、げらげらと

笑いながら入ってくる。


こんな風貌と態度なら鈴木先生に

目をつけられるのも無理はない。



教卓の前を素通りして席に着こうとす

る二人の学ランを、鈴木先生は


思いきり掴んだ。



見ているこっちが思わず

ドキっとしてしまう。