全員の視線がそこに集まる。
「あー、遅れました? サーセン」
「サーセンっした」
いつもの二人だ。
ズボンを下げ、ワイシャツを出し、
髪を染め、
ピアスまでは付けていないものの、
いわゆる不良っぽい二人。
悪びれた様子もなく、げらげらと
笑いながら入ってくる。
こんな風貌と態度なら鈴木先生に
目をつけられるのも無理はない。
教卓の前を素通りして席に着こうとす
る二人の学ランを、鈴木先生は
思いきり掴んだ。
見ているこっちが思わず
ドキっとしてしまう。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…