「言っとくけど、花自体はあんまり関係ないぞ?」

「え、そうなの?」

じゃあ、百合って何?
また首を傾げると話しだそうとして開いた聖くんの口が大きく開き、目も見開いた。

「うわぁ、怖いよ聖くん…。」

僕が呟くと聖くんは目線だけ僕に移し、僕の後ろを指差してパクパクと口を開け閉じする。

後ろに何かあるのかな…?

クルッと振り返ったら、

「うわぁ。」

綺麗な女の人と、可愛い女の人と、小さな可愛らしい女の子がいた。


「はじめまして、菅原くん。」

綺麗な女の人が鈴のような声で僕に話し掛けてきた。

緑のボーダー柄のネクタイ…
二年生だ!

「あっ、はじめまして!」

二年生が僕になんの用だろう…?
僕がガタッと立ち上がって頭を下げたら綺麗な女の人はこれまた綺麗に微笑んだ。