「鬼ごっこ、するか?」 唐突な武藤の言葉に、僕はゆっくりと左右に首を振る。 もしかしたら手を繋いで存在を確かめたいのかもしれない。 もしくはただ単に走りたいのか。 でもこんなに美しい空ならば、僕は今この瞬間を目に焼き付けておきたかった。 いつでも、どこの空からも、彼らとこの空を、しっかりと思い出せるように。 だから僕は彼らに向かって、微笑んだ。