野田がここにいるということは、武藤か湯川君か…… ぎり、と握り締めた拳が真っ白になって、僕はそれを布団に何度も叩きつけた。 「あ、あの……」 「なんだっ」 あたふたとした野田に、彼が悪いわけじゃないのについ声を張り上げると、野田の後ろからひょこりと湯川君が顔を出した。 「まあまあ落ち着いて」 「湯川君……」 ──あの落下傘は武藤だったのか…… 言い知れない寂しさが襲いかかる前兆がしたその時。 「おー、起きたか」 のんびりとした武藤の声に、僕の思考は止まった。