それから一度も雨が降ることはなく、鬼ごっこをすることはあれ以来なかった。 だから友鬼以外の鬼ごっこをすることがあるのかも定かではない。 でもなんとなく、友鬼しかしないのだろうなと思っていた。 成長と共に手を繋ぐという機会は減っていたからなのか、懐かしく思うこともあった。 あの時欠けた三人の補充もされぬまま、季節は夏の盛りを迎えようとしていた。