村の中に入ると建物も昔のまま。
石で造られた壁とたくさんの緑がある優しい色の村だった。

村の中を歩くと、小さな子ども達が駆け回っていた。

「あ!!」

その中の一人がドロップ達を見つけ、急に駆けつけてきた。
それを見て全員、こちらに笑顔で駆け出す。


次の瞬間、元気な声でフォールに体当たりしていた。

「「「おかえりなさーい!!」」」
「うぉっ…。」

突然の体当たりにフォールは苦しむ。
それを見ながらリムは笑っていた。


ドロップはただその状況を遠くから見ていた。


(どうして……。)

まるで白昼夢。
ドロップは一瞬、ここが現実かどうか戸惑っていた。

何故なら…
彼女はこの光景に見覚えがあった。


ここは夢の中でオータムが産まれ、育った村だった。


初めてここに訪れた時。
フォールと同じようにオータムも子ども達に体当たりをされていた。
全く同じように…。