金色の髪を潮風に靡かせながら駆けてきた青年は、少女の頭を撫でながら久しぶりだと言った。

「アーレイは、大人になったのね」

少女がにこにこと青年を見上げれば、青年は自慢げに笑った。

「これでも立派な、王様の騎士なんだから。この町を離れて何年だと思ってるんだ?」

「まだ三年も経っていないわ」

青年は苦笑して、朝の海を見遣った。

海の向こうの王国に、青年は、アーレイは仕えている。今は様々な国を統一するために、西へ東へ走り回っているという。


「エトワールは元気かい?」

「おかげさまでね」

少女―エトワールは悪戯をした子供のように笑って見せた。