「おい、新庄」



―――ビクッ



後ろから呼ばれた私は、心臓が止まるかと思った。


「真咲先生かぁ、ビックリさせないでよ」


「何やってるんだ?最近はかくれんぼでも流行っているのか?」


先生は不思議そうな顔で私を見ていた。


「シ――――!!!!」


私は人差指を立てて口元に当てた。

キョロキョロッと周りを見てから、私は小声で話し始めた。


「実は…」


私が話し始めようとした瞬間、



『真咲先生、真咲先生、至急職員室までお戻り下さい』



なんてタイミング……



絶対に誰か見ているわ、このタイミング。


「仕方ないな、理由を聞いてやるから放課後視聴覚室に来なさい」


そう言って先生は白衣を翻し、職員室へと戻っていった。


私は再び周りを見渡してから、エイッと次の角までをダッシュした。


ようやく辿り着いた私の秘密の場所。

って言っても、普段あまり人が来ないだけなんだけどね。