意外と食い下がってくる西村さんに、タジタジになる私。

「いつの事?」

「先週の木曜日です」


ヤベッ!!
それ、私だわ。


どうしょう……


嘘をつくのが、劇的に下手な私は上手い嘘が見つからず焦っていた。


「その日なら、私と一瞬に居たわよ」


その声の主は、もちろん柚子。
多分、オロオロする私を見かねて助け舟を出してくれたんだろう。

「滝沢先輩、話に入って来ないで下さい」

と、柚子にまで噛みつく始末の西村さん。

「あっ、そうそう!!思い出した。
柚子と買い物してから、柚子ん家に行ってだべってたよね?」

なるべく、顔に出さない様に精一杯の演技をした。

「結構、遅い時間まで居たからね。見間違いじゃない?ちなみに、疑うなら私のお母さんに聞いたら良いわよ」


柚子ナイス!!


「そうですか……」

と、煮え切らない西村さんに柚子が追い討ちをかける。

「ちなみに、純那は彼氏居るからね」

そう言うと、やっと信じたのか私達を見ながら謝ってきた。

よっぽど好きなんだろうね。