逆方向を向いた私は、すぐに先生の手によって引き戻される。

「離れるな」

先生が戻って来た私の頭にキスをした。

それだけでキュンとしてしまうのは、私の体に先生を刻み込ませたからかな?


「早く卒業したい……」


「1年間なんて、あっという間だよ」


そう言うと、また私の手を握りしめた。

「だから、もう少し待っててな」

先生は繋いでいる手を布団から出した。
絡み合っている指が離れたと思いきや、私の薬指を捉えて


「ここに、指輪を買ってやるから」


先生、その言葉嬉しすぎです。
私は先生を見つめたまま、無言で頷いた。

そのまま、また元の様に手を絡ませ恋人繋ぎにする。

指先まで、キュンとした気持ちでいっぱいになっているんだよ。

3年生になったら、真咲先生のクラスになれるか分からないけど、もう大丈夫だって思えるよ。

だって、こんなに先生が近くに居て、こんなに先生に愛されているんだもん。


ずっと、指先を弄んでいる。

無言が続く。

心地よい静寂の中、私達はいつの間にか眠ってしまっていた。