これが脅しだけじゃなかったら、大変な事になる。



『私は先生と別れるべきなのだろうか?』



嫌な質問が頭の中に出てきてしまう。

もちろん私の気持ちは嫌だけど、先生が教育委員会とかに吊し上げられるのはもっといやだ。


ただ、別れたくないのに別れるなんて出来るんだろうか?


先生に何て言えば良いの?


『好きな人が出来た』

とか

『嫌いになった』


とか?
そんな事言えるハズがない。

仕方ない。
別れるのが嫌なら、犯人を自力で捜すしかないか……


私は写真と手紙を引き出しにしまい、ベッドに寝っころがった。

本当は先生と電話したかったけど、声を聞いたら泣いてさっきの事を話してしまいそうだったから止めたんだ。


肌触りが良い淡いピンク色のクッションを抱きしめ、寂しさをこらえた。


「せんせ……」


会いたい気持ちが、つい言葉になって溢れ出してくる。

こんな事じゃ、犯人探しが出来ないぞ!!


自分に喝を入れながら、気が付いたらその日は眠ってしまっていた。