もちろん始めは驚いていたけど、お母さんの口からは意外な言葉が出てきた。


『親子なのね』


そう言うと、少し笑った。

何だか良く分からないけど、お母さんの顔はものすごく穏やかだった。


お母さんはポツリと話し始めた。


「お父さんも学校の先生だったでしょ?
お母さんはお父さんの生徒だったのよ」


ウソ……


お父さんが学校の先生なのは知っていたけど……

言われてみれば、お父さんとお母さんってかなり年が離れてるんだよね。


「お母さんの一目惚れだったのよ」


お母さんは遠い目をしながら、クスッと笑っていた。


昔を思い出しているのかな?


幸せそうな顔。

私はお母さんとお父さんの馴れ初め話を聞いた。

何だか、私と真咲先生の事を聞いてるみたいな感じで恥ずかしくなっちゃうよ。

だって、私達とそっくりだったんだもん。


お母さんは、

「早くお家に連れて来なさい。3人でご飯食べましょう」

そう言ってくれたんだ。


やっぱり、お母さんの子で良かった。