「確かに、あの時は新庄の言葉を制した。

どうして良いか分からなかったし、おれ自身準備が出来なかったんだ。

新庄を受け入れるだけの心の準備がな」


先生は真っすぐ私を見つめたまま話した。


その瞳からは
ものすごく強い決意を感じたんだ。


「…今は?」


一気に鼓動が早くなるのが分かる。



ニコリと笑って、大きく頷いた先生。



「本当?!?!?!」


私はありえない位、喜びを体現していた。



ポロポロと涙がこぼれ落ちるのを感じる。



「滝沢のおかげだな」



そう言って私にティッシュをくれた。



【純那が昔みたいに笑ってくれる】



それがすごく嬉しかった。


そして、真咲先生はものすごく大きな人なんだって感じた。


きっと一生徒の私に、普通こんな事言わないでしょ。


でも、先生は私の事を信じてくれて1人の人間として接してくれたんだね。




私は先生と【ある約束】をして準備室を後にした。




この後、もっと先生の懐の大きさを知る事になるなんて、知る由もなかった。