「お人好し」

柚子は私にそう言った。

「ごめんなさい…」

そう言う私に、

「まぁ、そんな事はとっくの昔から知ってるけどね」

こう言いながら、アイスケーキを勧めてくれた。

私は相変わらず、涙を流しながらアイスケーキを頬張った。



しょっぱい……



涙の味がするアイスケーキの味は、絶対に忘れないと思うよ。


「純那、1人で考えこむなよ」


篠はポテトを口に入れながら、力強い口調で私に言った。


うん、そう頷きながら篠を見た。


また、友情が深まった日。


この後、私達3人は特に何も話さなかった。

だけど、なんだか心が通じ合えている気がして、不思議と沈黙が苦じゃなかったんだ。


篠が、最後のポテトを頬張ったのを見計らって私達は店を出た。


駅に向かいながら、3人で手を繋いだ。


2人の手が温かくて、又涙が溢れ出した。


真っ赤な夕日が、私達を照らしていた。


まるで、3人を包み込むかのように、暖かい赤に染まっていた。



ありがとね



みんな。