「さぶっ」

外に出て思わず出た言葉。

天気予報で言っていた通り、かなり冷え込んでいる。

きっと雪が降るんであろうなって…思わせる灰色の雲が空を覆っていた。



―――雪―――



昨日の夜を思い出す。


昨夜も雪が降っていた。

――俺の誕生日

まさか教え子と過ごすとは思わなかったな。



口からは、ふっと笑みがこぼれる。



車に乗り込みエンジンをかけた。

冬休みに出勤するとは、俺もついてないよな。
車が温まるのを待ちながら、心の中で愚痴っていた。


昨日の事を思い出しながら、複雑な気持ちになる。


暖房が効いてきて、曇ってくる窓。


ふと、横を見た時それは目に入った。




マジかよ……




俺はそれから目が離せなかった。