「まっさっきち〜んっ♪」

「ぎょぇっ!!!」

首…首締まるんですけど、奈葉。

『松コン』も終わったし、颯と一緒に帰るつもりで、靴箱に向かっていた。

途中、この馬鹿と出会った。

今、首に腕を回され、軽く羽交い締めされている。

きついっす。

「や〜め〜て〜…」

あたしは必死に声を絞りだす。

「ぎゃはっ!!ごみんごみ〜ん!締まっちゃってたね♪」

にっこにこで、“ぎゃはっ!!"とか下品に笑う奈葉。

「ていうか、あたしになんか用?」

あたしが奈葉にそう言うと、

「はぁ?麻咲ちん、あたしに助けられたこと忘れたわけ??」

“ありえないっ"とかブツブツ呟いている。

ん?助けられたっけ?

あたしは記憶の引き出しを無理矢理開ける。

ん〜…ん〜…