しばらくして彼は、チュッとわざとらしくリップ音をならし、

「麻咲李衣。俺の彼女になれ。いや、ならねぇと犯すぞ」

あたしを脅した。

この人……何?てか、まず誰?

「なんでいきなりキスされて、見ず知らずの人の彼女になんないといけないわけ?!」

あたしがキレ気味にそういうと、彼は口元を少しあげる。

「俺が言ったことは絶対。結局はそうなる。必然だかんな」


………自信過剰すぎない?

てか…疾風くんがいんだけど。

「あたし彼氏いるから」

「はっ?……別れろ」

………無理強いするな…この人。

「無理でしょ」

「俺の言ったことは絶対なんだっ!!」

「無理だからっ!!」

「ふぅん…そっ…俺さぁ、モテるから、俺がお前に告ってふられたって女達がきいたら、お前確実に殺られんぞ〜?いいのか〜?」


………こわっ…
なんでこんなめに……
コイツがあたしに告白してきたのが悪いんじゃん。

あたしみたいな奴じゃない人選べこのやろ〜!!!

入学早々、あたしにはもう困難が立ちはだかるだなんて………グスン。

…疾風くん…ごめん。

あたし…ここで生きていたいから……

「わかった」

「よしっ!!契約成立っ俺がぜってぇ守ってやっから」

にこっと笑った彼の笑顔に、胸が高鳴ったのは気のせいだと思いたい。

それと疾風くんに重なったのも、気のせいだ…