「琥桃。今年も君が大好きな行事が開催されるよ?」

俺は、穏やかな声でそう言いながらも、コイツの脇腹を肘で殴った。

「いっ!!そっそうだねー」

顔を歪めながらも、適当に相槌をうつ琥桃。

ふっ…勝ったぜ。

俺は、見えないように、ニヤリと笑った。

「ところでさぁ〜噂の颯の彼女、選ばれるんじゃない?俺遠目でしか、見たことないけどさぁ〜」

「………あ…」

「えっ…今気付いたの??」

やべぇやべぇやべぇやべぇっ!!!

李衣が選ばれる可能性は…100%だ…

アイツはかなり可愛いから、よく2年とか3年からも噂を聞く。

そして、この行事で有名になったら…虫けらに狙われるに決まってんじゃねぇかっ!!!

俺の慌てっぷりを見た琥桃は、ニヤニヤと不気味に笑っていた。