「李衣?」

あたしはふるふるっと横に首を振った。

「何ずっと泣いてんだよ…」

あんたのせいよーっ!!

「李衣のことは、最初、女を巻く為の彼女として、付き合った。でもな?俺は、最初からお前に惚れてた」

………えっ…

「俺さ…本気で好きな女ができたことなくて…マジ、李衣の元カレの話とかでなんでイライラしたり、モヤモヤしたりすんだろって思ってた」

颯が…イライラしたり、モヤモヤしたりしてたの……?

「麻咲李衣さん」

「は…い…」

「俺の、恋人になってくれませんか?」

王子のような、颯の振る舞いに、あたしは今だけ姫になった気分でこう答えた。

「はい。永遠に、あなたと」

あたし達は、手を絡ませ、そっとキスしあった。

どちらともなく、自然に…溶け合うように…