「あたし…気付いちゃったの…」

は…?
俺は、さらに眉をよせる。

「……颯のとりこになっちゃったって」


……俺のとりこ?



……は…?


李衣が俺のとりこ?


俺しか見えないのか?


「あ…?」


俺は間抜けな声しか出せなかった。


かなり嬉しかった。

女を巻く為の女を探していた俺に、舞い降りた李衣。

運命だと思った。

女を巻く為という口実は、もうとっくに崩れさっていた。

1人の女として…

愛すべき女として、李衣を見るようになった。

自分をさらけだせる、俺の唯一の好きな女。


俺は、幸せを感じていた。