結構バイトは順調。
古着屋って案外楽だし、楽しいな。

「いらっしゃいませ」

俺は、なるべく愛想よく挨拶をする。

「中谷くんっ?!もうちょっと笑顔振り撒きなさいよ。イケメンな顔を売りなさいよ!」

この横暴な態度の、黒髪ロングはここのオーナー。
名前は、マリアンヌ・アレクサンドリア。

すっげぇ名前だけど、一応日本語喋れるハーフ。

通称:マリアさま

「す…すいません…マリアさん…」

「もうっ!マリアさまでしょーがっ!!」

……………めんどくせ…

「マリアさま…笑顔、これでどうですか?」

にっこりと王子スマイルを、オーナーにぶつけた。