「なんで泣いてんだ?」

「そっれは…はっ颯が…」

「俺が…?」

涙はさっきよりも酷くなって、ますます喋りにくい。

「お…なの人と…」

「おな?なんのことだよ」

「しらばっ…くれないで…よぉ」

「はぁ?」

こんなときも冷たいんだなぁ…颯は。

「お前、さっき田中といたろ?」

「え…」

「俺、聞いてたんだよね。お前らの会話…アイツ、李衣の元カレだよな」

「う…ん…」

「アイツとなんかあったのか?」

「ちが…うから…」

「じゃぁなんだよ」

「だから…颯が…」

「俺?それともアイツ?」

「颯だってば!」

あたしは、思わず颯のほうを向いた。