《ピーンポーン》

もう一度、チャイムが鳴った。

「はーい」

ガチャッとドアを開けると…

「やっほー♪」

玄関に、奈葉が立っていた。

だよね。奈葉か…アイツ…疾風かと思っちゃった。
昔からのあの人の癖だったから。
そんなわけ、ないのにね…

「ってか、りぃりぃ…目が…腫れてる…」

気付かれたか…やっぱし、わかるよね…

「えっ?昨日、すごくいい映画見ちゃって」

にっこりと無理に笑うあたしに、少し顔を歪めた奈葉。

きっと、気付てる。

「そーなの?りぃりぃがそんなに泣くなんて、すごい映画なんだーっ」

聞かないでくれて、ありがとね?

やっぱ、奈葉はいい友達だ。