でも、スッと険しい顔をやめた。

怒られなかった。あれれ?

「そうか。わかった。俺も今週だけ夕方から用があるから、李衣に言おうと思ってたんだ」

用?颯が用があるなんて言い出すの珍しい…

「そうなの?なんの用事?」

あたしがそう聞くと、何故か顔色を変える颯。

「べっ別にどうでもいいだろ。李衣には関係ない」

なっ…関係ないなんて…酷い。

それに、少し焦ってた。

おかしい…

「ねぇはや…」

「あっ!もう李衣の家だな。またな」

話を遮られた。怪しい…

あたしは、最悪の事態を思い浮かべた。

浮気…

あたしは背筋がゾクッとし、嫌なほう、嫌なほうに考えてしまった。