「颯〜あがったよ〜?」

ん?いないのかな?

あたしは、ゆっくりと…そりゃぁもう亀のようなスピードで、お風呂に入った。

だから、1時間はたってるわけでして…

「寝ちゃったのかな?」

グイッ

へ?

「李衣…遅すぎ。つか、俺の体温が下がった」

颯があたしを抱きしめた。

少しほてった頬が、赤みを増す。

「えぇ?颯?寝てないの?」

「はぁ?なんで寝んの?つか、熱冷めちゃったし、李衣があっためてよ」

………はい?
あたし、湯たんぽでもストーブでもないですけど?

わけのわからないというような顔をしていると、

「李衣で、俺はあったまるんだよ」

颯はニヤリと笑いながら、そう言った。

そして、ベッドへ直行。

寝かされるあたし。

き…緊張してきたぁー!!!

あたし、乗り切れるかな…?