「すいません…琥桃先輩…」

あたしが丁寧に謝ると、

「李衣、コイツのことなんか“先輩呼び"する必要ねぇぞ?琥桃でいいんだ」

颯がそんなことを言い出した。

「うんそうそう!!俺、先輩付けなくても全然おっけー♪むしろ、李衣ちゃんならいつでも大歓迎〜」

琥桃先輩も、いいって言ってるし…
でも、琥桃って…なんか、堅い感じする。

じゃあ……

「モモちゃんでいい?」

「「モモちゃん?!」」

「うん。モモちゃん…可愛いでしょ?」

「うん!俺、そのほうがいいっ♪」

琥桃せんぱ…もとい、モモちゃんは、嬉しそうに笑った。

「奈葉も、打ち上げ行きたいでっす!」

何故か、颯のノックアウトから生還した奈葉が、手を挙げて、アピールしてきた。

「奈葉って奴…お前の何?」

耳元で、小さく話しかけてきた颯に、

「ただの馬鹿。そして悪女」

デカい声でそう言った。

「なっ!!ひどいっ!」

奈葉はブーブー言っている。

仕方ない…

「奈葉も連れてって?」

颯にお願いをした。

「おぅ…俺の嫌いなタイプじゃないならいい」

いや、もろ嫌いなタイプだろうけど…

そのことには、あえて触れず、あたし達は、颯の家へ向かった。