「俺と春樹、車に食べ物置いているんで取ってきます」


「私達も車に買ってきた食べ物があるの。じゃ皆で取りに行きましょうか」


 瑞穂は明るく振舞い、落ち込んでいる章吾の肩に軽く手を載せると、章吾は引きつった笑い顔を見せるとゆっくり立ち上がった。

 真優と正信だけは椅子に座ったまま、まだ小刻みに震えており、相当怖がりだということが分かる。

 そんな二人に呆れたのか、鈴音が目を吊り上げて近寄った。


「ちょっと、いつまで怖がってんの。大丈夫だって云ったでしょ。ほら行くよ」


 鈴音は真優の腕を掴むと無理矢理立たせた。


「うん……」


 真優は頷くと、部屋を出ようとする鈴音にくっついて歩いた。


「待ってよ。一人で残るの嫌だよ」


 その後ろから最後に気の弱そうな正信が着いてきた。