魔念村殺人事件

 瑞穂はようやく魂を取り戻したかのように語尾を強めた。

 美紀の真相をどうやって知り得たのだろう。


「瑞穂さん、鈴音ちゃんと真優ちゃんが東京に出てきて、美紀ちゃんの真相を直接聞かされたんですか?」


 陸はなるべく落ち着いた声で訊くと、瑞穂は陸の目を見てゆっくりと首を振った。


「真優が始めの職場で上手くいかず、次の就職先で困っていたから、私が店長になったばかりの時カフェに呼んだの。それから真優といる時間が増えたわ。

 そして真優の住むアパートで一緒にお酒を飲んでいる時、真優が酔っ払って美紀の名前を呼んで泣きだしたの。その時は、美紀が行方不明になったことを自分のせいだと責めているのかと思ってた。でも寝てしまった真優は寝言で云ったの『助けられなくてごめんね』って。あまりにも真優の様子がうなされて変だったから、心配になった私はいけないと思いながらも机の上に置きっぱなしになっていた真優の日記を読んだわ。そこには石川さんが推理した通りのことがびっしりかかれていた。鈴音がしたことも全部。あぁ、美紀は死んだんだ……。殺されたんだ……。そう思うと憎しみが身体を支配したの。それからまもなく魔念村は廃村になった。私はチャンスだと思ったわ。でも葛藤がなかったと云ったら嘘になるわね。私は何度も美紀や両親の後を追い、死のうかと思った。でもその一方で、復讐という名の生きる糧を見つけたような気もした。もうその時の私はケムンドウ、魔物に取り憑かれていたのかもしれないわね」