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見慣れた姿に「よぉ」と手を上げたら、心底驚きましたと言わんばかりに幼馴染は目を見開いた。



「あんた何やってんの?」

「んー・・・待ち伏せ?」

「は?意味分かんないんだけど」



俺の言葉に、跡が残りそうなほど深い皺を眉間に寄せる妃那。

馬鹿じゃない?、もう夜よ、とブツブツ呟きながら妃那は一瞬目を逸らし、

それからすぐにオレを見た。

真っ直ぐな視線に、覚悟して待ち伏せしていたはずの俺の方が思わず戸惑う。



「どうせ、今日のデートのことでも聞きに来たんでしょ?」



妃那は本当に瑞樹先輩に会ったのかと思うほど冷静だった。

むしろ、普段よりもずっとクールで。いやに冷たかった。

妃那のことだから、うるさいくらいに浮かれて帰ってくるかと思ったんだけど。

(こんなこと言ったら怒られそうだが、両思いなことは分かってたんだ。むしろ泊まりでもするかとさえ思ってた)

「おう」と答えつつ、妙に不安が過ぎる。

何か、嫌なことでもあったんだろうか。

心配な俺の視線を捕らえると、妃那はふぅと息を付いて口を開いた。



「告白された」

「へぇ、そっか。告白・・・

・・・

・・・

・・・

・・・告白ぅっ!!?」

「何よ、大声で叫ばないでよね。近所迷惑」

「そう言ったってお前!!」



分かってはいたことだけど、それでもすごい衝撃と驚きが俺を襲って。

自分らしくもない大声を出しながら妃那を指差してパクパク口を動かすマヌケな俺に、

妃那は鬱陶しいと書かれた顔を隠すことなく歪めた。



「告白された。当たり前でしょ?あたしだし」

「まぁ、そりゃ男落とすことに関してお前の右に出るものはいないけど」



あまりにもクールな妃那に、俺もやっと落ち着きを取り戻す。

ぽりぽりと頭を掻いて、

聞きたくなかったけれど一番の核心を口にした。(・・・ってなんで俺聞きたくないんだ?)