見たこともない景色が広がる駅に降り立った。 私鉄とJRを乗り継いで、何時間もかけてきたその場所は、俺を優しそうに迎え入れる。 コンクリートの上をひきずるように歩いていると、海風が鼻を突っついて、なんとも言えない匂いがした。 これは、良い匂いなのか。はたまた害するものなのか。 尖った高い鼻をこすると、いくらかマシになったように思える。